はじめに
ラボグロウンダイヤモンド(人工的に生成されたダイヤモンド)は、天然ダイヤモンドとまったく同じ構造を持ちながら、ラボ(研究所)で育てられた本物のダイヤモンドです。
では、そのダイヤモンドはどのように作られているのでしょうか?
今回の記事では、ラボグロウンダイヤモンドの製造方法である「HPHT法」と「CVD法」の仕組みや特徴をわかりやすく解説します。
目次
1.ラボグロウンはどうやって作られる?
2.HPHT法とは?〜天然に近い“高温高圧”製法〜
3.CVD法とは?〜薄膜成長による最新技術〜
4.HPHTとCVDの違いを徹底比較!
5.今後主流になるのはどっち?
1. ラボグロウンはどうやって作られる?
ラボグロウンダイヤモンドは、以下の2つの技術で生成されます。
・HPHT法(High Pressure High Temperature)
・CVD法(Chemical Vapor Deposition)
どちらも、炭素原子を結晶化させてダイヤモンドを育てる技術ですが、アプローチはまったく異なります。
2. HPHT法とは?〜天然に近い“高温高圧”製法〜
HPHT法は、天然ダイヤが地中で生成される環境を人工的に再現した方法です。
✅ 特徴
・約1,500℃、5万気圧以上の極端な環境下でダイヤを生成
・金属触媒(鉄やニッケル)を使って結晶化を促進
・1粒のダイヤができるまでに数週間かかる
✅ メリット
・大きなサイズの結晶が作りやすい
・歴史が長く、比較的安定した技術
✅ デメリット
・不純物(金属成分)が残る場合がある
・色味に偏りが出ることがある(黄色や茶色)
3. CVD法とは?〜薄膜成長による最新技術〜
CVD法は、**炭素を含むガスを使ってダイヤモンドを層状に“育てていく”**という近未来的な方法です。
✅ 特徴
・真空チャンバー内に炭素ガス(メタンなど)を流し、プラズマで分解
・ダイヤモンドの種結晶の上に炭素を少しずつ積み重ねる
・時間をかけて層状に結晶を成長させる
✅ メリット
・高純度・高透明度のダイヤが作れる
・カラー調整もしやすく、理想的な仕上がりに
・環境負荷がより低い
✅ デメリット
・成長に時間がかかる
・大粒の結晶を作るにはやや不向き
4. HPHTとCVDの違いを徹底比較!
5. 今後主流になるのはどっち?
現在、ジュエリー業界ではCVD法が急速に主流化しつつあります。
理由は、
・高品質で透明度が高い
・再現性が高く、ブランド化しやすい
・環境配慮型の製法で、エシカル消費にマッチ
といった点です。
一方でHPHT法も、大粒ダイヤや工業用ダイヤの生産においては今後も活躍が期待されています。
まとめ
ラボグロウンダイヤモンドには2つの主な製造方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
・天然に近い方法で一気に作るのがHPHT
・最新技術でじっくり育てるのがCVD
どちらが優れているというよりも、目的や用途に応じて使い分けるのが一般的です。
ジュエリーとして購入する際には、「どちらの製法なのか?」を知っておくことで、より納得のいく選択ができるようになりますよ。